「目論見書は、書類作成作業が中心だろう」——そうお考えの経営層の方も少なくありません。
しかし実際には、目論見書作成フェーズは、ガバナンス整備・監査対応・法務レビューが同時に進行するため、プロジェクト全体の進捗を左右する重要な局面となります。

1. 同時並行の負荷:ライティングと同時に求められる「実務の整備」

目論見書(S-1/F-1)の作成は、単なるドキュメンテーションではありません。「記載内容と実態の一致」が米国証券法で求められるため、執筆と並行してガバナンス体制の整備や証憑(エビデンス)の準備、内部統制上の課題解決を進める必要があります。

具体的な作業例

  • リスク管理体制の文書化:記載内容を裏付ける運用実態の整備
  • 取締役会議事録の整備:過去の意思決定プロセスにおける整合性の確認
  • 関連当事者取引の妥当性を確認:関連する契約書や決裁記録の網羅的な準備
  • ストックオプション制度の確認:発行履歴と税務処理の整合性チェック

これらをドラフトの期限に合わせて完了させる必要があり、現場の担当者には相応の業務負荷がかかる傾向にあります。

2. 監査と法務への対応:迅速なレスポンスの重要性

目論見書のドラフト作成中は、外部監査法人や証券弁護士(Securities Counsel)によるレビューも並行して進みます。プロジェクトを円滑に進めるためには、彼らからの質問や要求へタイムリーに対応することが求められます。

主な対応事項

監査法人からの依頼

  • 総勘定元帳(GL)、試算表(TB)の精査
  • 売掛金・在庫のサンプリング
  • 売上計上基準の証憑確認
  • 関連当事者取引の妥当性を確認

証券弁護士からの依頼

  • 訴訟リスクの開示・法的評価
  • 知的財産権の権利確認
  • 役員報酬のレビュー
  • Regulation S-Kへの準拠チェック

質問への回答や資料提出にはスピードが求められるため、CFOや経理責任者がこれらの対応に多くの時間を割くことになり、本来の業務に影響が出るケースも見受けられます。

3. 手戻りのリスク:連結判定がスケジュールに与える影響

目論見書作成において特に重要なのが、「どの子会社・関連会社を連結対象とするか」の判定です。この判断に変更が生じると、積み上げてきた監査手続きや財務諸表の修正が必要となり、スケジュールの見直しを余儀なくされる可能性があります。

想定される手戻りのケース

事例:海外子会社の連結範囲の再検討

状況: 活動実態が少ないと判断していた海外子会社について、支配関係の観点から連結対象とすべきという指摘を監査過程で受けた場合。

影響:

  • 過去数年分の財務諸表の修正や、追加の監査手続きが必要となる
  • 目論見書内の「Risk Factors」や「Management's Discussion」などの修正も発生
  • 結果として、上場時期や資金調達計画の調整が必要になることも考えられる

連結判定には「US-GAAP(米国会計基準)」の「ASC 810」に基づく専門的な判断が求められます。早期に方針を固めておくことが、スムーズな進行の鍵となります。

結論:監査開始「前」の準備が、上場成功への近道

以上の点から、目論見書作成フェーズに入ってからガバナンス整備や監査対応に着手するのではなく、事前の準備を整えておくことが望ましいと言えます。

HeartCore FINANCIALが提供する「監査前レビュー(Pre-Audit Readiness Assessment)」「ガバナンス先行整備支援」では、本格的な監査が始まる前に以下の準備をサポートいたします。

  • 連結範囲の検討と会計方針の整理
  • 内部統制の文書化支援と証憑体制の構築
  • 関連当事者取引・ストックオプションの事前確認
  • 監査法人・弁護士からの質問を想定した資料準備

「後から修正する」のではなく、「最初から基準に合わせて準備する」。
これこそが、NASDAQ上場をより確実かつスムーズに進めるための有効なアプローチです。

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