Linkage Global にみる日本発企業のNASDAQ上場プロセスと成長戦略

クロスボーダーEC領域における米国IPOモデル

Linkage Global Inc. は、2022年3月にケイマン諸島で設立された持株会社であり、日本に本社機能を置くクロスボーダー電子商取引(越境EC)統合サービスプロバイダーです。2023年12月19日にNASDAQ Capital Marketへ上場し、DRS提出から約7ヶ月という短期間で米国IPOを実現した稀有なケースとして注目されます。

企業概要

会社名

Linkage Global Inc.

ティッカー

LNKG

上場日

2023年12月19日

市場

NASDAQ Capital Market

業種

クロスボーダーEC

設立年

2022年

設立地

ケイマン諸島

本社機能

日本

1 企業概要

Linkage Global Inc. は、2022年3月にケイマン諸島で設立された持株会社であり、日本に本社機能を置くクロスボーダー電子商取引(越境EC)統合サービスプロバイダーです。事業は大きく2つに区分されます。

事業内容

クロスボーダーEC事業

日本企業の商品を海外市場へ展開するための販売、物流、決済など統合サービスを提供。

総合電子商取引サービス

ECプラットフォーム運営、受発注管理、物流サポートなど、企業がオンラインで事業を展開するための基盤を包括的に支援。

同社は日本・香港・中国本土で事業を展開し、アジア圏を中心とした越境EC需要の高まりを背景に事業拡大を図っています。

2 上場概要

Linkage Global は 2023年12月19日 に Nasdaq Capital Market に上場しました。スキームは F-1(普通株)による直接上場です。

上場詳細

上場日

2023年12月19日

市場区分

Nasdaq Capital Market

上場形式

F-1(普通株)

調達額

6,000,000ドル

IPO費用

1,304,330ドル

IPO費用比率

約22%

アンダーライター

EF Hutton

弁護士

Hunter Taubman Fischer & Li LLC

監査法人

TPS Thayer, LLC

IPO費用は調達額に対し約22%であり、小規模IPOにおける平均的なレンジに収まります。クロスボーダーEC企業がNASDAQ市場にアクセスする例は増えていますが、日本に本社機能を置く企業がケイマン構造を用い、短期間で米国上場を実現した点は特徴的です。

3 上場までのプロセスとタイムライン

Linkage Global のDRS(ドラフト版登録届出書)が提出されたのは 2023年5月9日。そこから 約4ヶ月後の9月1日にF-1が正式ファイリングされています。

2022年3月:会社設立

ケイマン諸島にて持株会社を設立。

2023年5月9日:DRS提出

コンフィデンシャルファイリング(ドラフト版登録届出書)を提出。

2023年9月1日:F-1 Public Filing

正式に公開ファイリングされ、NASDAQ上場プロセスが本格化。

2023年12月18日:F-1 Effective

SECのコメント対応、文書修正を経て、F-1が有効化。

2023年12月19日:NASDAQ上場

Nasdaq Capital Marketに上場。

DRS提出から約7ヶ月で上場実現

日本関連企業の米国IPOとしても、特に迅速な部類に入ります。

上場時に提出された財務情報では、2022年9月期の売上高が22,028,303ドルと開示されており、越境EC領域としては比較的規模のある収益基盤を有していた点が評価されたと考えられます。

4 資本政策と調達資金の用途

調達資金は、主に以下の用途に充てられるとされています。

技術研究開発(ECプラットフォーム拡張)

次世代ECプラットフォームの開発とシステム拡張

サプライチェーンの統合強化

物流基盤の拡充とオペレーション効率化

人材獲得と専門チームの拡充

EC・物流・マーケティング分野の専門人材の採用

東南アジア市場への本格進出

ASEAN市場における事業拡大とネットワーク構築

運転資金および一般的な企業用途

日常業務運営と事業拡大に必要な運転資金

特にサプライチェーン強化とアジア市場拡張は、越境EC企業にとって事業スケールを決定するコア領域であり、資金使途として合理的です。

5 上場後の事業展開と戦略的示唆

リンクエイジ・グローバルは、上場後に以下の戦略を実行すると見られます。

物流基盤とオペレーションの高度化

越境ECでは配送リードタイムと物流コストが顧客価値の中心となるため、サプライチェーンへの投資は競争力に直結します。

顧客企業向け統合サービスの強化

EC運営システム、決済、マーケティング支援など、プラットフォーム型サービスへの拡張が見込まれます。

東南アジア市場での存在感拡大

成長率の高いASEAN市場は、越境EC企業にとって重要な戦略領域です。

ブランドロイヤリティの強化

EC事業では価格競争に陥りやすいため、UI/UX改善や独自サービスによる差別化が不可欠です。

6 日本企業への示唆

Linkage Global のNASDAQ上場は、以下の点で日本企業にとって示唆を与えます。

ケイマン構造を用いたスピーディな上場モデル

法人設立から上場まで約1年9ヶ月という短さは、迅速な意思決定とガバナンス構築の結果です。

EC・物流・サプライチェーンは米国投資家に評価されやすい

成長予測が立ちやすく、収益モデルが理解されやすい点が投資家の支持につながります。

短期間での上場を成功させるには、開示品質の高さが必須

財務・法務・事業計画を一貫させる実務能力が重要となります。

7 総括

Linkage Global は、日本を中心とした越境EC企業として、DRS提出から7ヶ月というスピードでNASDAQ上場を実現した稀有なケースです。

高い収益基盤、成長市場への展開、サービス統合による差別化など、米国投資家に評価される要素を揃えていたことが成功要因といえます。

本事例は、日本企業が海外成長戦略を実行する上で、米国IPOが有効な資金調達・ブランド構築手段となり得ることを示しています。

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